お別れの旅

東京〜九州間を結ぶ最後の寝台特急富士・はやぶさ
とても残念だけど、長い歴史に終止符を打つ瞬間が近づいてきた。
色々言いたいことはあるけど、もう二度と乗れないだろうから・・・
なんとかキャンセル待ちでチケットが取れた。


本当は富士で東京→大分、九州横断特急で大分→熊本、はやぶさの上りで熊本→東京の
黄金ルートを取りたかったのだけれど、悲しいかな時間が取れない。
さよなら乗車は、東京→大分間で、帰りは飛行機を使いとんぼ返りに・・・


東京駅にて出発前

もうこの案内表示は出なくなると思うと・・・




富士のA寝台個室に乗車する・・・






乗る人も、撮影だけの人も入り乱れ発車前の賑わい・・・



A個室にて富士ぶさ限定弁当を食す。


子供のときは寝ないように寝ないようにとなぜか必死だったのに、
限定弁当と共にビールを飲んだら10時前には寝てしまった・・
揺れとコトコト音が気持ちいいんだよなー
夜中に時々眼が覚めた。ふと「どの辺を走っているのだろう・・」とか考える
客車特有の発車時の衝撃とかノスタルジックでいいね。
広島県の山中(セノハチ付近)は、暗闇だけど雪で真っ白だった・・
うっすら明るくなってきた瀬戸内海を眺めつつブルトレの醍醐味に浸る。
ゴハンは、徳山から乗ってきた車内販売の「あなご飯」↓↓を食べた。これうまい!!

↑これだけケータイの写真で手ブレだよー





下関の機関車付け替え



門司にてはやぶさと富士を切り離し・・ここからは富士は一人旅です。



杵築駅にて
信じ難いけど、特急に抜かされるために停車・・こっちも特急なのにネ。
こんなの屈辱以外の何者でもないよな。
客車列車時代の終焉を利用者に感じさせるために、
わざとこう言うスジを組んでいるのは確信犯的だな。

列車って格付けがあってさ、本来最優等列車なんだけどね、ブルトレは。


あちらこちらから湯煙が上がる別府を過ぎて、富士は雨にけむる別府湾沿いを走る。
日豊線と国道10号線が海沿いを併走する、とても好きな景色だ。
気のせいか富士と速度を合わせて走る車がいるな。
富士の車窓から見る別府湾の景色はもう二度と見れないのか。
湾に浮かぶ「さんふらわあ」を見ながら・・・そう思った。


富士の終点、大分が近いと放送がある。
非情だ・・・いつまでも乗っていたい・・
まだ旅を終わらせたくない・・・
チクショー、今日だけ間違って西鹿児島行きにならないかなwなる訳ないなw




大分到着後、乗客たちが別れを惜しむように写真撮影のために群がる
俺もホームから富士が車庫に向けて去るまで見送ったよ・・さよなら富士・・・・
もうお前に乗ることは無いんだな・・・世話になったね・・・
いろんな人と車中で出会って、いろんな話ができたことは忘れ得ぬ宝物だ。
晦日に乗り、車中で初日の出を見たこともあったっけ。
親の仕事の関係で千葉から宮崎に引越すことになって、
級友たちがわざわざ大勢で東京駅まで見送りに来てくれた事が、富士の一番の思い出かな。
ちなみに当時の富士の終着は西鹿児島


客車って、ゆっくりゆっくり動き出すものだから「別れの時」が長いんだよね


その「ゆっくり、ゆっくり」が時代に合わなくなった、という人もいるだろう。


またいつか会えるといいね、栄光のブルートレイン富士・はやぶさ