ああ、涙の東名高速ガス欠事件

その日、当時の愛車1974年式カワサキDOHC4気筒ナナハンに乗り、
東名高速を名古屋方面から横浜インターに向かって、快調に走っていた。
途中、静岡県内で燃料コックを本タンクから予備(リザーブ)タンクに切り換えを行った。
その予備タンの容量が3〜4㍑くらいなので・・・燃費から考えると、
あと50km以内を目途に給油しないといけない。
当時はバイクに燃料計なぞ付いてない。
付いていても、きっと全然アテにならないようなヤツとかネ。
・・・足柄SAまでなら余裕で持つなぁ・・と考えてた。


・・・この計算は合っていた。
問題はバイクに乗る人間にあったのである。
若かったんですナ・・・東名上で見ず知らずのバイクとバトルになってしまったのだ。
それでも頭の中には「足柄で入れなきゃ」と言う思いはあったのだが・・
トバせば燃費は悪化するが、足柄まで持つだろう・・と言う安易な気で。


足柄SAまであと2㌔、の看板は見えた。風圧で歪みながらも確かに見た。
まるで走行車線に止まっているかの様に見えるコンボイ軍団を、
右側の追い越し車線から一気に抜きにかかる。
かなりのコンボイ隊列で、長いこと長いこと・・・・
このときだ。不覚にもSAに入り損なう訳で。あうあう・・


SAを過ぎてしまった事に気が付かず、かなりの距離を走ってしまうのであった。
「あっれ〜〜??2㌔って言ったじゃん」と思いながら、
もうすでに過ぎてしまったのをようやく自覚した。。。。

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「ああああ・・・しまった。次の大井松田インターで降りよう・・・」
バトルは止めて左側車線をエコランだよ。くぅ〜
さっき抜かしたクルマたちが、次々と追い越して行くな。
しかーしエコラン実らず愛車のエンジンは、次第にガス欠症状が出てきた。
とても次のインターまでなんて走れません・・・
「まじでふか・・・・」頭を抱える。いや走行中なので抱えられません。
頭の中で、クソ重いナナハンを路側帯で押して歩く自分が浮かんだ。あううう。
おまけに荷物満載だ。真夏の昼間だ。ううう・・・死ぬな、きっと。


少し先に高速バスのバス停が見えてきた。「ラッキーかも」
とりあえず、グズりながらもバス停のスペースに滑り込む。
ホントに、バス停に入ったのを見越したようにエンジンがストンと止まった。
同時にクラッチを切って惰性で走り、そして静かに止まる。
高速のバス停は本線からかなり隔てられていて、まぁ安全な場所と言えるでしょう。
「緊急避難」ですからね。ぶふふ許ちてネ ←ちょと意味が違うかもw

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古い時代のバイクは、簡単に燃料タンクを外せるのがイイ。
ちなみにこのバイクはタンクを外すのに工具は不要。1〜2分で外せる。
燃料ホースを2本抜いて、タンク自体はゴムバンドで留まってる。ふふ。
このタンクは、底の真ん中が山になってるので、コック側にガソリンを集めれば
もう少し走れそう。チャプチャプ言ってるけど、また途中で止まったら意味ナシ。


タンクを外してどうするのかって??
バス停から外に出て、ガソリンを買いに行くのですよん♪


さて、真夏の昼間にライダーの格好した怪しいヤツがタンクを抱えて、
知らない町をGS探しです。全然見つからないので通行人に聞きました。
・・・・結構距離があるとか。くそ!オレの馬鹿ぁ!


たどり着いたスタンドで、タンクをどうしようか考えた末、
地面に置いてガソリンを入れてもらう。
スタンドのお兄さんが「どうしたの?」って言うから説明しましたよ。
「東名バス停から大変だったねぇ」と慰みの言葉を頂きますた。
満タンにすると重いので、半分ぐらいにしてもらった。



以来、ガス欠と言うのはその一回が最初で最後です。