一過性全健忘

先日、妻と二人でスキーに出かけたのですが、

突然「記憶喪失」状態になってしまいました。

現在は全くもって正常に戻りましたが、ものすごく不思議な体験でした・・・

その日、新幹線と送迎バスを使ってスキー場併設のホテルに到着。
スキーにしては少し遅めの、時刻は午後2時くらいに到着。
ファミリースキーでよく来た場所です。ゴンドラを使ったロングが特徴ですね
「あと2時間は滑れるな」と思って、レンタルコーナーに行って3点セットを借りゲレンデへ。
妻はスキーをしないので、ホテルで待機です。
この日の気温はとても寒くて-8℃くらい、風速は10メートル近い強風がたまに吹く冬型の気候
スキーは2年振りです。
私、厚着が苦手なのでスキーでも薄着です。汗っかきですからね
スキージャケットの下は薄手の長袖Tシャツ、スキーパンツの下にアンダーは穿きません。
レンタルコーナーからリフト乗り場はすぐ
4人乗りリフト(デタッチャブル高速タイプ)に単独で乗り込み、ゲレンデ中腹を目指す。
リフトは結構な長距離タイプで、途中でものすごく風が強くて寒くて・・・
このとき、ジャケットの前がはだけていて「あーメチャ寒い、リフトを降りたら閉めよう」と思っていた。

ここから記憶が飛びます

(リフト上で)ふと気が付くと

「あれ?俺なんでリフトに乗ってるの?」

思わず自分の服装を確認する
「スキー場でスキーウエア着てリフトに乗っているからスキーに来たんだよなあ」
「板は自分の物ではないな、借りたのだろう」
「ウエアは自分の見慣れた物だから持ってきたのだな」

「ここはどこ?」「自分は今何してるの?」状態に陥りました。

自分の置かれている状況を理解しようと必死になった

スキーに来たまでの経過が思い出せない

誰と一緒に来たかも思い出せない

どこのスキー場なのか分からない

リフト何本目なのか分からない

日帰りなのか泊まりなのか分からない

「俺、記憶喪失なの?そんなのって本当にあるの?」
そんな頭がぐちゃぐちゃの中でリフトの終点に来た
・・・リフトの降り方とかコースに出るまでの漕ぎとかスケーティングにも問題はない
ゲレンデに降り立つが、景色に見覚えがない(20年振りに来たゲレンデ)
もう絶対自分が「おかしくなった」のは理解した。
でもスキーに来たことだけは確かであるな。

「とりあえず滑っているうちに何とかなるかな?」

な~んてお気楽に?滑り出す私・・滑らにゃ損みたいな思考だと思う
一本目は2年ぶりの危うさは多少あるが、滑りはごく普通で身体も動く。
スキー教室の学生団体さんの滑りを邪魔しないように、
相手の進路を予想して適度な距離で避けて滑る。
このあたり、思考&行動については至極まともであるな

結局2時間近く滑ってホテルに戻る
多分、滑っている最中も記憶を引っ張り出すのに必死だったとは思うけど。
おぼろげに、断片的に、本日の出来事を思い出してきた
幸いホテルのルームナンバーも思い出したので部屋に行くが、妻は部屋にいないようだ。
ロビーに戻り妻に電話するが妻は出ない。
「きっと温泉でも行ってるんだろうな」
と思った通り、風呂上がりにビールを買って帰ってくる妻が目の前にいた

「さっき記憶が飛んじゃったよ」と妻に話す。

妻はちょっと驚いたが、
「寒さから身体を守るため本能的に脳が活動を控え目にしたんじゃないの?」と言う。

この後、同じ話を何回も何回もしたそうだ

喋ったことをすぐ忘れてしまうのか・・

大丈夫か?俺・・・
ときどき夢を見ている最中のような感覚に陥る
不安になるけど、その中でちょっと安心させるのは・・
それは妻があんまり心配そうにしてないから(笑

寝て起きたらいつもの自分に戻っていた。

そんな経緯で家に帰ってから自分の症状を照らし合わせると・・

一時的な記憶喪失 = 一過性全健忘

で間違いないと思います。
特に医療機関には掛かっていませんけどね
経過を見て何か変化あったら掛かろうと思います。
自分的には寒さが引き金になった、と考えます。
寒さのせいで記憶を司る海馬への血液が減少して悪さしたのではないかな、と。
本当に不思議な体験でした
翌日も滑ったのだけれど、寒さを警戒し過ぎて厚着になって汗だく(笑

一過性全健忘症とは

新しい記憶を維持する能力と、発症後に起こった出来事を思い出す能力が
突然かつ一時的に失われる
同じ質問や言い回しを繰り返す
時間や場所について混乱がみられることもある
周りの人が誰であるかについて混乱することは通常ない
発症前に起こった出来事を一部忘れることもある
発症中は車の運転など機能的な問題は起きない
記憶障害の持続時間は通常は1~8時間→寝て起きたら治っている
10万人に3~10人程度の発症率
再発率は低い→予後は良好